めまいは慣れると起こりにくくなります。脳が平衡感覚の情報の足りない部分を補って、めまいにてきおうするからです。あえてめまいを起こす体操をして、積極的にトレーニングをします。
「ちょっと難しい」を繰り返して慣れる
これから紹介する体操は、めまいが起こりやすい動きです。自分にとってめまいがする動きや、ちょっと難しいと感じる動きを選んで、積極的におこなうことで効果が得られます。
Point1
毎日続ける
●1回5~30分程度
●1日1~3回
脳の代償作用を動かせるには、短時間でも毎日続けることが重要。続けることで脳が慣れてめまいを起こしにくくなります。
Point2
動作
●簡単にできるものは省く
●難しいもの、気分悪くなるものを選ぶ
こちらのページで多くの体操を紹介しますが、簡単にできるものは効果がありません。あえて苦手に感じるもの、めまいが起きて気分が悪くなるものを選びましょう。
おこなうときの注意点
●安全場場所で
転倒してけがをしないよう、安全対策をしておく。すぐにつかまれる柱や台などがあるとよい
●だれかがいるときに
倒れそうになった時、すぐに介助してくれる人がいるほうが安心。慣れるまでは近くで付き添って見守ってもらう
●吐き気が強くなったら中止
多少気分が悪くなることはあるが、吐き気が強くなったときは中止する。無理をしすぎないこと
目のバランス機能を鍛える
脳が平衡覚を補うには、目から得られる情報が重要です。この体操は、目の動きを安定させるのが目的です。しっかり目線を定めることで、脳への情報が乱れにくくなります。
1.片方の手を前に水平に上げ、手の先を観る。手を左右に卯木樫、目だけで手の動きを追う
2.同じく、手を上下に動かし、目だけで手の動きを追う
各5~30回
1.中央の点を10~30秒見つめる
2.上下の点を交互に30回見る
3.左右の点を交互に30回見る
耳に原因があるめまいに有効
めまい体操は、意識してわざとめまいを起こさせることによって、脳をめまいに慣れさせるのが目的です。とくに、メニエール病や良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎などの内耳に原因があるめまいに効果があります。聴神経腫痬の術後におこなうのも効果的です。めまい体操は、開始するタイミングが大切です。急性期のひどいめまいの症状が落ち着いたら、医師の許可を得てから始めるようにしましょう。