めまいが起こる病気の中で最も緊急性が高く危険な病気が、脳梗塞と脳出血です。耳の病気との見きわめには、めまい以外の症状に注目します。体にマヒやしびれがあれば要注意です。
めまい+神経症状は危険
小脳や脳幹で梗塞や出血が起こると、激しい回転性のめまいが現れます。もかに、手足のしびれやマヒ、舌のもつれなどがあれば、至急、救急車を呼びます。
小脳梗塞、小脳出血
小脳は、大脳からの指令を前進に伝え、体がスムーズに動くように調整します。梗塞や出血が起こると運動機能が乱れてバランスがとれなくなります。
回転性または動揺性のめまい
■ 回転性めまい
回転性めまいは、横になっている時や目を閉じている時にも、天井や身体全体がくるくる回っているような感覚になるめまいです。吐き気を感じることもあり、実際に吐いてしまうこともあります。バランス感覚を失ったようになり、ひどい時には、まっすぐ歩くことやまっすぐ立っていることが困難になります。
■浮動性めまい
浮動性めまいは、自分や周りがふわふわとしているように感じるめまいです。立っているとき、座っているときなど、動作や姿勢に関わらず起こり、まっすぐ歩けなくなることもあります。
■ 動揺性めまい
動揺性めまいは、浮動性めまい同様、自分や周りがふわふわとしているように感じるめまいです。ただし、浮動性めまいと違い、吐き気、動悸、呼吸が苦しく感じるなど、さまざまな症状を伴います。
+
●バランスがとれない、つまずく、転びやすい
●嘔吐、吐き気
●(出血の場合)激しい頭痛
など
脳幹梗塞、脳幹出血
脳幹は、自律神経や呼吸のコントロールなど、生命の維持に重要な役割があります。梗塞や出血が起こると、舌のもつれなどの症状が現れます。
回転性の強いめまい
+
●物が二重に見える
●手足や顔のしびれ、マヒ
●舌のもつれ
●音が聞こえにくい
●意識が薄れる、なくなる
●(出血の場合)激しい頭痛
など
治療はできるだけ早く初めて後遺症を減らす
脳梗塞や脳出血の治療は、時間との勝負。発症から3~6時間のあいだに、治療が開始できるかがポイントです。治療が早いほど、ダメージを小さく抑えることができます。
様子を見ずに迷わず救急車を
めまい以外の症状に注目します。こちらのページの症状があれば、様子を見ている場合ではありません。至急救急車を呼んで下さい。
↓ ↓ 3~6時間以内に ↓ ↓
医師の許可が出たら
めまいが残ることもある。積極的に体を動かそう。
治療後しばらくは血流が低下し、めまいやふらつきが起こりやすい状態です。安静にしすぎず、体を動かしたほうが回復も早くなります。医師の許可が出たら、めまい体操などの運動を始めましょう。
生活習慣病の影響で脳の血管が障害される
脳梗塞は、脳血管の動脈硬化が進むと起こりやすくなります。糖尿病や脂質異常症、高血圧などの生活習慣病がある人は注意が必要です。脳出血の多くは、高血圧が原因です。生活習慣病を、きちんとコントロールしましょう。
脳梗塞や脳出血は中高年になるほど増えてきます。めまいを起こす耳の病気も、また働き盛りの中年以降に多く見られます。めまいにとらわれると、脳梗塞や脳出血を見逃す危険があります。症状を見分けることが重要です。