労働契約法(平成19年法律第128号)は、労働者と使用者の間で締結される個別の労働契約に関する基本原則と民事ルールを定めた日本の法律である。2008年3月に施行され、労働関係の安定と予測可能性の向上を目的とする。
主な規定
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施行日:2008年(平成20年)3月1日
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目的:合理的な労働条件の決定・変更を通じた労働関係の安定
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改正:2012年(平成24年)有期労働契約の無期転換ルール等を追加
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所管官庁:厚生労働省
制定の背景
多様な就業形態の広がりにより、労働条件の個別的決定や変更に伴う紛争が増加したことから、従来判例法理に依拠していた労働契約の民事ルールを明文化する必要が生じた。労働基準法が定める最低基準を補完し、労働者と使用者の対等な関係に基づく契約関係の明確化を図っている。
基本理念と原則
法律は「合意原則」を中核に据え、労働契約は労使の対等な立場で締結・変更されるべきとする(第3条)。労使は信義誠実に行動し、権利濫用をしてはならないと明記。使用者には労働者の安全配慮義務が課されている(第5条)。
労働契約の成立・変更・終了
第2章では労働契約の成立と変更、第3章では継続・終了に関するルールを定める。就業規則に基づく合理的な変更手続き、懲戒・解雇における「客観的合理性」と「社会通念上の相当性」を要件とする権利濫用禁止規定が特徴である(第16条)。
有期労働契約と無期転換
2013年施行の改正により、同一使用者との有期契約期間が通算5年を超えた場合、労働者の申し込みにより無期契約に転換する「無期転換ルール」(第18条)が導入された。また、有期契約労働者に対して不合理な労働条件を禁止する条項(第20条)も設けられた。
役割と意義
労働契約法は、労働者保護と企業の柔軟な人事運営のバランスを取る基幹法として、労働紛争の予防と労働市場の安定に寄与している。民法・労働基準法・労働審判法などとともに、日本の個別労働関係法制を支える中核的法規である。
